2.“こうのとりのゆりかご”って何?
2-1. “こうのとりのゆりかご”とは?
私たちの「こうのとりのゆりかご」は、正しくは「新生児相談室」という相談業務が本来の業務です。
つまり、妊娠、出産、育児などについてのさまざまな悩みを抱えるお母さんや、その周りの方々の悩み事を聞き、一緒になって考え、そして解決しようというのがこの業務の本来の目的です。
したがって、私たちが、「こうのとりのゆりかご」に赤ちゃんを預かるということは、悩みに悩みぬいたお母さんが、最終手段として「自分が産んだ赤ちゃんの尊い命は救われる」というお母さんの切ない気持ちの現れだと思っています。その気持ちを大切に受けとめようと、私たちは預かった赤ちゃんの安全には万全の体制で臨んでいます。
しかしながら、預かった赤ちゃんは、私たちの病院で育てるということはできませんし、そのことは認められておりません。
私どもに課せられた義務は、「赤ちゃんの安全に責任をもつこと」であり、もしも赤ちゃんを預かったとしたら、規則によって、熊本県南警察署、熊本県児童相談所、さらに熊本市にそれぞれ通報することになります。
そして、赤ちゃんは児童相談所を通じて不特定の乳児園に引き取られ、そこで育てられることとなり、私どもはその後の赤ちゃんの状況を知ることはできません。
一方、本来の業務である相談業務として相談を受けた場合は、専門の相談員がお母さんと一緒になって、何が一番いいのか? どうすれば問題が解決するのか? どんな方法があるのか? さまざまな考えの下、結論を出すお手伝いをすることができます。例えば、里親制度、養子縁組、特別養子縁組などなどいろいろな選択肢が導き出されると思います。
しかもこのことはできるだけ早い時期に、つまり赤ちゃんのうちにだったり、もっといいのは妊娠中に相談していただいて、このようなことができれば、赤ちゃんは施設ではなく家庭で育てられることになり、赤ちゃんのその後の人生に大きな影響があるのではないかと、私たちは思っています。
そういう意味でも、まずは相談していただくことが、いかに大事なことか、私たちは様々な相談事例を通じて実感しています。
私たちの、「こうのとりのゆりかご」は、決して赤ちゃんを預かることが目的ではなく、いろいろな相談を受け一緒になって考え、そして解決策を見つける「新生児相談室」であるということを充分にご理解いただきたいと思います。